肥満が不妊の原因のひとつではないかと考えられていることをみなさんはご存知でしょうか。
肥満と言いますと糖尿病や高血圧などの心配ということが考えられるのですが、肥満の方は妊娠しづらくなるともいわれているのです。アメリカでは、妊娠できない原因の6%を肥満が占めているのです。このことから考えましても、肥満が不妊と関係があるのではないでしょうか。
肥満が不妊とどうして関係があるのかと言いますと、肥満というのはホルモンバランスを崩します。ですから、女性の肥満の方の場合には、女性ホルモンが関わる排卵を起こりにくくさせてしまうのです。
しかし、私たち人間が子孫を残すにあたって、脂肪というのは必要なものです。女性の身体は、妊娠から出産にかけてたくさんのエネルギーを必要としています。ですから、脂肪は無事に出産を終えるためにもとても大切なものではあります。妊娠前に体重が少なくて、妊娠中にも体重増加が思わしくない方の場合には、低体重児を出産することが多いようですし、また、免疫系を正常に保つためにも適度な脂肪というのは必要となります。
しかし、適度な脂肪と肥満は全く別物です。妊娠中の肥満状態は、妊娠中毒症、妊娠糖尿病、巨大児、難産、弛緩性子宮出血などといった症状の原因にもなります。ですから、適正体重を心がけて生活し、母子ともに健康な状態を保つことが大切なのです。
肥満の方の月経異常としては、多嚢胞性卵巣症候群というものがあります。この多嚢胞性卵巣症候群は、生殖年齢の女性の4?11%に見られるとされておりまして、最も頻度が高い内分泌疾患の1つとなっています。
この症状は、排卵障害のために自然排卵のない場合には、妊娠するためには排卵誘発が必要になりまして、排卵しやすくするように、腹腔鏡で見ながらレーザー光線などを使用して、卵巣表面に穴を開ける方法もあるようです。
また、排卵の問題だけではなく、子宮を養う動脈の子宮動脈の血管抵抗が高い場合が多いために、子宮内膜の厚さや形などにも異常が見られますので、着床や妊娠維持にはとても不利であることがかんがえられますので、このようなことからも肥満が不妊の原因であると言うことができるのではないでしょうか。
また、この多嚢胞性卵巣症候群では、肥満、にきび、多毛傾向が見られる場合がありまして、検査値で見ますと、善玉コレステロールの低下といった脂質代謝異常、インスリン抵抗性亢進などといったメタボリックシンドロームの状態といったことも多いのです。
肥満で不妊に悩んでいる方は、もしかするとその肥満が不妊の原因かもしれませんので、やはり病院に行ってみることが良いのではないでしょうか。